お出かけレシピ

鳥取県三朝町にひっそりとたたずむ道の駅「楽市楽座」 最後の日

道の駅楽市楽座の看板
緑色の看板が目印でした 

2023年9月30日に、鳥取県内のひとつの道の駅が閉店しました。

全国のあちこちにできている「道の駅」ですが、道の駅が閉店、、とは近年あまり聞いたことがありません。

道の駅とは?  (国土交通省)

https://www.kkr.mlit.go.jp/road/michi_no_eki/about.html

道の駅三朝・楽市楽座には、広い駐車場はもちろん、現在は閉店しているお食事処・トイレ・土産店・地元農産物販売などがあり、小売店舗のほとんどはJAの直売所になっていました。

このたび県内のJA直営のスーパーが、採算上の理由等により次々と閉店され、地域の買い物難民はどうなるのか・・・など大きく話題になったのですが、おそらくこの道の駅もその煽りを受けて閉店対象となってしまったのでしょう。

直売所の閉店によって、「道の駅」を管轄する国土交通省の定める「道の駅要件」が満たされなくなると、登録廃止も検討されているようです。

楽市楽座の入り口

国道179号沿いにあり、1993年に県内では「道の駅大栄」とともに登録第1号として認定されてから、地元の新鮮な野菜やコメ、土産物などを販売。

地元民はもとより、岡山・大阪方面からの観光客も多くにぎわっていましたが、

鳥取自動車道や松江自動車道の開通で、交通量が激減、近年は慢性的な赤字が続いていたようです。

最後の日の店内は、農産物などはほぼ売り切れで、コンテナは空っぽ・・・

空っぽの農産物

土産品コーナーはそれでも商品がまだ売れ残っていました。

土産物コーナー
土産物コーナー

地元、三朝町は三朝温泉でも有名ですが、断崖絶壁のくぼみに建てられた国宝の「投入堂」も忘れてはいけません。

三朝町の国宝 投入堂

投入堂とは (鳥取県観光連盟)

https://www.tottori-guide.jp/tourism/tour/view/168

私は、この道の駅楽市楽座には、少々思い入れがあり、最後の日はぜひ行かなければ!と半ば義務感にかられて出かけました。

というのも、以前ドライブしてた時に、ふらっと寄った時に、ある販売コーナーにくぎ付けになってしまったのです。

「道の駅」によくありがちな、工芸品コーナーの作品。

そこには牛革で作成された商品、バッグ、財布、小銭入れ、ポーチなどが置かれていました。

その商品を何気なく見たとき、「これは、クオリティかなり高い商品では??」と、気づき、物色していたところ、そのただならぬ気配を察知したお店の人が説明してくれました。

「この商品は、以前神戸で革職人をされていた方が、Iターンして地元に戻られて数年してから再びその腕を活かして作られ始めた革製品なのですよ」と。

しっかりとした革と縫製の皮製品。なのに、お値段は「ええっ??」と思うくらいリーズナブル。

そして、商品のひとつひとつに、作り手のメッセージが書かれた厚紙で作ったタグが取り付けられていたのです。

『牛革100% 使用している間に不具合が生じたら善処いたします』

ご高齢なのか、書かれている文字は少し震えている感じでしたが、でもとても好意的なメッセージ。

「これは買い!」

革製品コーナー
最後の日の皮製品コーナー

ちょうどその時、仕事で使う、倒れない安定感のある小ぶりなバッグが欲しかったので、使い勝手の良さそうな黒の手持ちバッグを即決購入してしまいました。

上の画像の手前の黒のバッグと同じものです。赤か黒か迷ったけど、結局黒にしました。

その時、この逸品に出会えた感動がずっと忘れられなかった私は、地元新聞の「ホントは誰にも教えたくない穴場」という投稿コーナーに応募したのです。

一人でも多くの人にこの逸品をぜひ知ってもらいたいな、と思って。

すると、何とめでたく採用され、投稿が掲載された朝、新聞を見たときの嬉しさと言ったら!

地元新聞に投稿が採用されたことも嬉しかったのですが、さらに嬉しかったのが、その後訪れたこのコーナーに、その新聞記事がちゃんとラミネートされ、PR記事としてポップにされていたことでした!

上記の画像、少し読みづらいですが、「ウサギの耳」という記事がそれです。(「うさぎの耳(うさみみ)」という名前の折込新聞です)

この記事で、商品を手に取って購入してくれた人がいたとしたら、こんな嬉しいことはありません。

道の駅最後の日まで、ずっとPRで置いてもらってたのですね。

嬉しいなあ~

お店の人に、今後革製品はどこで販売を継続するのか聞いてみたところ、明日からはJA系列の違う直売所で販売が継続されるとのこと。

生産者は工房なども構えておられるわけではなく、唯一の販売経路はJAに委ねておられるようです。

もっと売れるべき商品だと思うのに・・・

これまで、こちらのコーナーで購入した商品は、

ハンドバッグ
かっちりとした作りのハンドバッグ 5800円
ポーチ
ワイン色の光沢が素敵。エナメルコーティングのポーチ 800円
ポーチ
ポーチの反対側、黒色部分はオーストリッチの皮
スマホポシェット
使い込むほどに味が出そう、スマホポシェット  1500円
ショルダーバッグ
長く使えそうな高級仔牛革100%のショルダーバッグ 7900円

県内有数の温泉地でもある三朝町。

唯一の道の駅は閉店してしまいましたが、この地に観光客が訪れてくれて、お金を落としてくれるしくみづくりが急がれます。

そしてもう一つ、このような食料の調達ができていたお店がなくなることで、

山間部に住む買い物難民が増えてしまうという問題。

この三朝町に限らず、県内では今この問題が大きくクローズアップされています。

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