但馬地方とは、兵庫県北部の豊岡市・養父(やぶ)市・朝来(あさご)市・香美(かみ)町・新温泉町の区域です。
夏は暑く、冬は寒さが厳しく雪もたくさん降ります。
日本海側の地域である但馬ですが、近年おいしい蕎麦屋さんがぽつぽつとできているのです。
兵庫県と言えば「出石そば」の皿そばが有名ですが、出石をも凌駕してしまいそうな蕎麦屋さんがあるんですよ。
殿さんそば
豊岡市日高町十戸(じゅうご)のあたりの国道482号線沿いにある「殿さんそば」という黄色の看板に誘われ、山の方に進むこと10分ほど。
ぽつんと大きな平屋建ての建物が右手に見えてきます。見えた瞬間、おそらくほとんどの方が「あれが殿さんそばだな」と思うほど、蕎麦屋さんオーラがビンビンに出ています。
駐車場も広く、建物もゆったり建てられていて安定感抜群の存在感。
周辺の草刈りなどもきちんとされているようで、そのあたりも好感が持てます。
初めての蕎麦屋さんでは、まず「ざるそば」を注文します。蕎麦本来の色・風味・こしがわかるのは、やはりざるそばかなあ、と思います。
山あいのお店なので、山菜天ぷらを期待して、野菜天ぷらも注文しました。
色は濃いめの蕎麦が二段重ねのせいろで提供されます。二段あるとなんだかお得感が出ますね。
まずは、おつゆにつけずにそのままの蕎麦を1本つるり。そばの香りをいただきます。
出石の蕎麦と比べると、蕎麦独特の香りが強めな感じがします。好きですね。
つゆも濃すぎず、薄すぎず、非常によいだしの取り方がしてあります。
よいだしが取ってあるつゆは、いただいた瞬間、「体によさそう!」と五感が感じるような気がします。
野菜天ぷらも揚げたてでほくほく。
緑の旬の山菜っぽいのは、お店の人が説明されたのですが、聞き取れず名前はわからないのですが、薫り高くておいしい山菜天ぷらでした。
大根を薄めに輪切りにして天ぷらしてあったのにはびっくり。
大根ならば水分が出てべちゃつきそうなものですが、さらっとあげてあって、とても美味しくいただきました。(実はカブなのか大根なのかわからなかったのでお店の方に聞いて大根だとわかりました…)
殿さんそばの入り口の看板には「殿食材供給施設」と大きく書いてあります。
地元で育てた無農薬のそば粉や野菜を大事に活用したいという思いから官民が協力して作りあげられた施設のようですが、5年以上もこの事業が継続されているということは、おそらく熱心な地元の方が、丁寧なそば作りや手を抜かないおもてなしを綿々と続けておられるからだろうな、と思います。
またぜひリピートしたい蕎麦屋さんです。