岡山市久米南町の国道53号線沿いに「そば処 小川柳(こせんりゅう)」はあります。
以前、通り過ぎた時に注目していた蕎麦屋さんでした。
かなり長い間営業されている雰囲気が漂っています。入口の杉玉、いいですね。
ぼくち蕎麦とのれんに書いてありますが、はて、「ぼくち」とは?
入り口にはすでにお客さんが1組待っていました。
地元に住むご夫婦で、「ここの蕎麦はおいしいから、昼食に食べにきた」とのことで、何回かリピートされているご夫婦のようです。
地元の方が太鼓判を押すお店なので、ハズれることはないにちがいない!と期待が膨らみます。
15分ほど待って入れました。
やはり、私の定番天ざるそばを注文します。そして、なぞの物体「ぼくち」の意味が解き明かされました。
ボクチという植物の繊維を、蕎麦のつなぎとして使用しているとのこと。
もう一つの説明書には、このお店の蕎麦には、つなぎとして小麦粉は一切使用していないと書いてあります。
ボクチの自家栽培にも頑張っておられるようです。
「お蕎麦はコシと香りが命」このお店のモットーです。十割蕎麦のつなぎは、ボクチなる植物。
席に着くお客様には、店員さんが必ず「少々お時間をいただきますね」とコメントされていて、結構待つのかな?と思いましたが、それほど待たずにお蕎麦が運ばれてきました。
きたーーーーー!
十割蕎麦は、そばつゆがなくてもそのまま食べることもできてしまいそうな、香り高くコシがある蕎麦です。
お店のモットーそのまま!このコシをボクチの食物繊維が出しているのですね。
天ぷらも海老天が2本もつき、7種類の野菜が楽しめます。カラッと揚がった天ぷら。これで1,200円とは…リーズナブルですね。
添えられた一粒のラッキョウと小粒の梅干しも、合間の小粋なアクセントになっています。
そばを少量ずつ箸ですくいあげながら、ゆっくりゆっくりいただきます。
蕎麦食べは、空腹を満たすためだけでなく、もう一つの大事な要素があると思います。
それは、作り手がこだわりを持って大事に作りあげた作品を愛でるように、さいごまでそばに敬意をもっていただくこと。
・・・といっては大げさな感じかもしれませんが、「この蕎麦を楽しむ」という気持ちでたいらげたいな、と思うのです。
食べ終わって外に出ると、
休日でまだ午後1時にもなっていなかったと思うのですが、すでに
「そばが終了しました」。
「そばは終了しました」ではないのだなあ、と心の中で余計なツッコミをしてしまいましたが、
滑り込みな感じで?お蕎麦をいただくことができて本当にラッキーでした。