兵庫県佐用町にある蕎麦屋「鬨」。見なれない漢字ですが、「とき」と読みます。
WEBで見つけた瞬間、その立地から、佇まいの感じから、ここは訪れておくべき蕎麦屋だと、ピン!ときました。
休日だったので、確実に、そして待つこともなく蕎麦を食すことができる時間を選択。
11時。
昼食には早い時間ですが、蕎麦巡りをするにあたって、土日しか動けない場合は、開店と同時に入るのが鉄則…だと私は思います。
なのでもちろん、朝食は早めに起きて食べておくか、あるいは食べずに臨むか、です。
美味しいものをいただくときは、空腹がいいに決まっています。
結構スペースの広い駐車場に車を停めた瞬間、偶然そこにいたグレーヘアを後ろに束ねたオーナーらしき方が、ご挨拶をされました。
いかにも…こだわりのありそうなご主人です。どちらかといえばフレンチっぽいような。でも醸し出すオーラは職人そのもの。
蕎麦の魅力に魅せられてしまった方なのですね。
古民家をリノベーションした趣ある室内。
一番手前のテーブルに座るように案内され、座ってみると、他に4人掛けのテーブルが1つ、2人掛けのテーブルが2つのみ。
私の座ったテーブル以外はすべて予約席だったらしく、予約客で11時半までには満席になってしまいました。
古民家をこぎれいに改修した客室。天井には太い梁が横たわり、後付けした昭和チックな照明器具が薄暗く室内を照らします。
店内には、来客の順番を記すものもなく、予約なしにきたお客さんは、所在なく入り口の外で声がかかるまで待たなければならないシステムのようです。
こだわりのちょんまげオーナーとその奥様でしょうか、お二人のみのスローペースオペレーションで、いっぱいいっぱいのようです。
予約なしで一番に入店し、一番に注文できたので当然一番に蕎麦にありつくことができました。予約のお客様、スミマセン…
天ざるそば。
手打ち感満載の十割お蕎麦。おつゆは少し甘め。
一番の特徴は何といっても薬味の「山わさび」でしょうか。見た目はショウガのよう。少し舐めてみると、ワサビとショウガの入り混じったような味。
そういえば、ワサビとショウガって姿かたちが似てる…だからか!ワサビの概念が崩れます。ほんとですよ!
天ぷらのサツマイモの甘さが、いいアクセントになりました。
忙しそうだけど、やっぱりいただきたいので、お声をかけて持ってきてもらったそば湯。
自分好みに自由にそば湯が頂けるかと思いきや、オーナーの奥様の手によってつゆの分量が調整され、適度な量になったところでそば湯が投入されました。
「この味でどうぞ召し上がっていただきたい」ということのようです。
そば湯は、出されている限り自分のつゆにうすめて無限に飲んでも良いものだと思っていたので、このシステムには驚きました。
そば湯とは元来こういうものなのか??と思わせるほどに。
蕎麦に魅せられたオーナーとその奥様が、自分たちのペースで営むお店、「鬨」には、ゆったりとした佐用町の時間が流れています。
今は予約推奨になっていますが、近いうちに完全予約制になってしまうのかもしれないな、と感じました。
次回は、季節のおそうざいが盛られた「おひるごはん」を食べに来よう。ちゃんと予約して。
改めてメニューを見ると、開店時間は11時ではなく、11時30分となっていました。
大きくフライングしてしまったようです、ごめんなさい(汗)