四国にある第1等灯台
四国の太平洋に向かって伸びる2つの岬の右の方にある、室戸岬灯台(むろとざきとうだい)。
日本の1等灯台5つのうちの4つが西日本に存在しています。
そのうちの3つ(経ヶ岬灯台、角島灯台、出雲日御碕灯台)は、観覧し終えていましたが、残るは1つ。『室戸岬灯台』です。
高知県は長く訪れていなかったこともあり、タイミングよく休みが取れたので、四国の端っこを目指して出かけることにしました。
地図で見ると、四国は太平洋に向かって2本の角が突きだしているような地形をしていますが、室戸岬は右側の方の角の先端にあります。
土佐湾を眺めながら車を走らせましたが、高知市からけっこう距離があります。
室戸岬についたのは少し日が暮れかかっている時間でした。
駐車場から緩やかな登りになっている山道を歩きましたが、山のかなり高い位置に灯台があるかと思いきや、そうでもありませんでした。
室戸岬灯台は塔の高さも低めなので、レンズも至近距離から見やすかったものの、天気のせいもあるでしょうか、きらきらのフレネルレンズや、レンズの正面の画像が撮れなかったのは残念です。
室戸岬灯台は円形のフレネルレンズで、レンズの設置されている灯室をガラスの玻璃板(はりはん)がぐるりと覆っています。
この玻璃板が360度ぐるりと透明だと、私は嬉しくなってしまいます。
ほとんどの灯台は、遮蔽版(しゃへいばん)という光をさえぎるための版が取り付けられている場合が多く、夜間に民家などがある陸地へ光が差し込まないようになっています。
玻璃板がすべて透明だと、フレネルレンズの美しさがどこからでも鑑賞でき、そしてそのレンズの美しさを透明なガラスが一層引き立たたせている感じがするのです。
京都府の丹後半島の先っちょにある、1等灯台の「経ヶ岬灯台」も遮蔽版がない灯台であり、フレネルレンズが本当に美しく見られます。
室戸岬灯台は、ちょっと小高い丘の上から見ると、背の低いロケットのようで今にも空に飛び立ちそうです。
訪れた時は、灯台を見降ろせる展望台に入ることができなかったので、それも少し残念でした。
日本でいちばん光の到達距離が長い灯台でもあり、その距離49キロ。
海上から灯台の光がどんなふうに見えるのか経験はないのですが、さぞ美しいことだろうと想像します。
同時に「あの光が日本の陸地なのだ」と認識できることによって、安心感も生まれるのでしょう。
室戸岬灯台は日本3大灯台のうちのひとつでもあります。
これはだれが決めたのか不明…ということですが。
日本3大灯台
- 犬吠埼灯台(千葉県銚子市)
- 経ヶ岬灯台(京都府京丹後市)
- 室戸岬灯台(高知県室戸市)
室戸岬灯台 室戸市ホームページはこちら
https://www.city.muroto.kochi.jp/pages/page2160.php
灯台の近くには、四国八十八か所第二十四番札所の「最御崎寺(ほつみさきじ)」もあり、弘法大師の銅像がお出迎えされています。
こんなところまで弘法大師は来ていたんですね。
日本全国を行脚し布教に務めた弘法大師、ここにたどり着くまで一体どれくらい歩かれたのでしょうか、想像すると、気が遠くなりそうです。
遠い所に旅すると、いつも思うこと。
日本はまだまだ広くて知らないところはたくさんあって、全部行くことは不可能だけど、生きているうちに行けるところには行って、日本という国に存在する景色、雰囲気、そこに住んでいる人たちの生活にふれてみたい。
違う土地を訪れて、自分がもしここに生まれていたとしたら、いったいどんな生活を送り、どんな人生を歩んでいたんだろうか、など妄想してみるのも楽しいものです。
幸運にも人間に生まれて来られたのだから、日本という国に生まれてこられたのだから、まだ見ていないものをこの目で見て、感じたことを心にたくさん刻んでおきたいと思うのです。