さぬきうどんならいざ知らず、考えてみれば、おいしいうどん屋さんにはなかなか巡り会えないかもしれません。
岡山に行く道中でふらっと立ち寄ったうどん屋さんが秀逸でした。
岡山県赤磐市の「手打うどん こころ」。
営業時間は11時~15時。
ふらっと立ち寄った時もそうでしたが、お昼時は平日でも混んでいるようです。
営業時間が短いので、その時間だけに集中してうどんを提供するお店のスタイルなのでしょう、私としてはとても好感がもてます。
おそらくそれ以外の時間は、うどんを打っているのに違いない…と思いこませてくれるからです(笑)
店内はこぎれいにしてあり、清潔感があります。
入り口に、「注文を受けてからうどんを茹でますので、少々お時間がかかります」と、大きめの看板がおいてあります。
お店の中には、厨房のオペレーションが悪かったり、人手不足だったりして、お料理の提供が遅いお店もたくさん見てきましたが、このお店に数回通ってみた感触では、本当に丁寧に作られたうどんが提供されるので、時間がかかるんだなと納得。
蕎麦屋さんんもそうなのですが、お店に入った時においしそうなだしの香りがするお店は、必ずといっていいほど、提供されるお料理も美味しいと私は信じています。
このお店もそうでした。
一応、店員さんにお勧めを聞いてみたところ、お勧めメニューはズバリ、
「こころうどん」。
海老天、牛肉、キムチ、卵がトッピングされた、鍋焼き風のうどんです。(鍋焼うどんは別にあります)
うどんがトッピングたちに隠れて見えませんが、麺は太目でコシがあります。
卵がちょうどふんわりしたタイミング。エノキ、しめじ、ほうれん草もトッピングされていました。だし汁もやさしい味。
こころうどんは、キムチ推しなのか、キムチ付きのメニューが多いようで、このキムチ、量は少ないのですが、これがアクセントになって、一瞬の味変が楽しめるのです。
具の多いうどんは久しぶりに食べましたが、だし汁まですべて飲み干し、完食。
いいものを食べた後には、頭が感じるより、まず体が「体にいいもの食べたよねー」と感じている気がするのが不思議ですね。
すごく穏やかになる感じ、です。
帰りに気が付きましたが、お会計が自動レジになっていました。うどんやさんにも、自動レジの波がきたか、と感じます。
今年に入って、具材などの高騰の影響でしょう、やはりメニューはどれも値上がりしているようです。
他のお店もそういう傾向なのでこれはいたしかたないのですが、それに見合うお料理を提供してもらえたと感じた時は、本当に「いいお店に出会えたなあ」と嬉しくなります。
お料理を提供される側は、常連ではない限り、その料理に会えるのは一度きりか数回程度。
提供する側は、同じものを何千、何万回と提供していくわけですが、作り手も人間。
調子のいい日悪い日もある。天気による手打ちうどんの出来も違うかももしれない。
その中でいいものを提供し続けるというのは、難しいことかもしれないなあ…と思うのです。