かつて所有していたバイクがありました。
YAMAHAのDragStar250。
所有していた期間は1年半ほどでしたが、中型免許取ってから、ひとめぼれして買った忘れることのできないバイクです。
ドラッグスターは、2000年6月に新登場。2017年には惜しくも生産終了となっています。
YAMAHAの先行モデルバイクとしては「ビラーゴ」があり、ドラッグスターと比べると、高さ・長さとも少しショートのモデルでした。
アメリカン・クルーザータイプの座高が低いバイク。
女性の私にとって、足つきも安定感も申し分のないバイクでした。
2バルブ・Vツインエンジンのデザインがカッコよくて、部品の至る所にクロームメッキが使用され、きらきら輝く車体は、
見ているだけでワクワクしていました。
アメリカンなら、ツーリングバッグはつけねばならぬもの、との思い込みから、
鋲の打ち込んであるハードめな革製バッグを装着。
その頃(ざっと15年前くらい)は、ネット販売もまだ主流ではなく、バイク周辺用品は、カタログで注文して取り寄せてもらうか、
数少ないバイクショップで購入するか、でした。
バイク屋の2階に「ビネガロン」というお店があって、そこでよく商品を物色していたのを思い出します。
倒した時の車体の破損を防ぐための、エンジンガードもしっかり付けました。
しかしこのツーリングバッグ、使い勝手の方は今一つで、開閉の時のバックルがワンタッチではなく、いちいち穴に通すタイプのものでした。
走行中に、衝撃でバッグが開いてしまわないためだと思うのですが、今ならもっと機能的なものが出ていると思います。
Vツインエンジンのバイクは、外から見てもエンジンの形がそのまま「V」字なので、わかりやすく、
そのエンジン音がまた魅力的でした。
ドルルン・・・シャイン、シャイン、シャイン・・・
と、少しハスキーめのトーンを混じらせながら響く低音は「あ、ドラッグスターだね」と、特徴あるものでした。
県内の山や海沿いをあちこち走りましたが、それでも総走行距離数は2000キロにも満たず、今思えばなんともったいない乗り方をしたバイカーだったのでしょうか。
クルーザータイプのバイクは、スピード命や峠を攻めたりするタイプのバイクではありません。
ロングウェイをテレテレ・・と、適度なスピードで流す感じで乗るのに向いています。
そしてプラス、カスタムもしようと思えば限りなくできるし、ヘルメット、手袋、靴や服などもこだわろうと思えばとことんこだわれるので、「素敵なバイクに乗るこうありたい自分」を追求することも可能です。
クルーザータイプのバイクに乗るかっこいい人物と言えば、
ルパン3世の峰不二子
ターミネーター2でハーレーに乗るアーノルドシュワルツェネッガー
あたりでしょうか。
クルーザーバイクといえば、正解的な知名度からしても、もちろん「ハーレーダビットソン」の右に出るバイクはないのかもしれませんが、日本製のバイクも、なかなか負けてはいないと思うのです。
コンパクトなツートーンシート、女性のヒップを彷彿とさせるヒューエルタンク、光り輝くぐるぐる巻きのサスペンションと、真一文字に伸びる2イン1マフラー。
すべての装備が絶妙なバランスで配置されていて、芸術作品のようなバイク、DragStar250。
他のことに時間をとらなければいけないようになって、ストンと乗らなくなってしまったあの時期。
バッテリー上がりを防ぐために、たまに説明書片手にメンテナンスしてたけど、
玄関横でカバーをかぶっているばかりのドラッグスターをみるたび、申し訳ない気持ちが募ってきているのは自分でも自覚していました。
そして、ひと一冬越して車輪のスポークあたりに錆が広がってきているのを見たとき、
「今、手放さないといけないかも」と、ようやくバイクを手放す決心をしたのでした。
あんまり走ってあげられなかったなあ・・・
こんなオーナーでごめんね。
だけど、ひとめぼれしたバイクを所有する、「所有の楽しみ」はしっかりと満喫させてもらえたかもしれない。
今度は、これに乗って走るのが楽しくてしょうがない人のところにいってほしい。
小さめのトラックの荷台で、揺れながら運ばれていくドラッグスターを見送る時、少し涙が出ました。
ふがいない自分に対しての後悔の涙の方が大きかったかも。
その後、津山市の女性がこのバイクのオーナーになったということをバイク屋さんから聞きました。
良かった・・・
今でも、ドライブの最中に道の駅に寄ったときなど、ドラッグスターが駐車されていると、駆け寄ってガン見し、
「いいバイクですね~!かっこいいですよね~このバイク。私も昔乗ってました」
などど、赤ちゃんを見かけたおばちゃんのように食いつき気味にオーナーさんに話しかけてしまうミーハーな私。
これからの人生の中では、もうバイクに乗ることはないと思うけど、
一時期でも憧れのバイクを所有できた、という甘くも切ない想い出を反芻できるというのは、
密かな喜びでもあります。
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