潮風香る岬のシンボル
福井県の日本海側には、海に沿って国道305号が走っています。
敦賀から東尋坊に向けて、左側に雄大に広がる日本海を眺めながら快適なドライブが楽しめるルートです。
途中、海にせり出した橋脚の上を走る箇所もあったりして、本当に海スレスレのところを走っていると実感できます。
「越前・河野しおかぜライン」と名付けられている区間もあり、交通量の比較的少ない快走路。
道の駅やスポットにも寄り道しながら気ままなドライブを楽しみます。
岩礁が長く続く越前海岸通り抜けていくと、越前岬の少し小高い山の上に「越前岬灯台(えちぜんみさきとうだい)」はあります。
灯台の高さは16メートル、海面からの高さは131メートル。
ライトには、以前は第4等フレネルレンズを使用していたようですが、現在はLBーM30型灯器を使用しています。
光源とレンズが一体化したライトビーコン(通称LB型)という、いわばヘッドライトのような灯器です。
光達距離は約39キロ。
初点灯は、昭和15年3月で、灯台としては比較的近代に立てられた灯台であることが分かります。
越前岬灯台は、京都府丹後半島の経ヶ岬灯台と対峙している位置関係にあり、地図で確認すると確かに若狭湾を挟むようにして向き合っているのが分かります。
若狭湾をぐるっと通り抜けてきたんだなあ…と実感。
越前岬灯台を見た時、「オーソドックスな灯台だなあ」というのが第一印象でした。
越前岬灯台は「恋する灯台プロジェクト」の認定灯台にもなっています。
恋する灯台プロジェクトとは?
Place(場所)・・・非日常感
History(歴史)・・・物語感
Access(道のり)・・・到達感
Romantic(ロマンティック)・・・創造感
Ocean view(景観)・・・最果て感
Shape(形)・・・造形美感
以上PHAROS(ファロス)の審査基準により認定され、灯台をロマンスの聖地へと再価値化していく取り組みです。
越前岬灯台はこちら
灯台の周辺には、広大な「越前水仙ランド」があります。
越前水仙は、越前海岸に咲く日本水仙の総称で、日本三大群生地のひとつとして数えられ、その面積は日本一とのこと。
水仙の咲き誇る時期には、水仙と灯台と日本海とのコントラストで、さぞ美しい風景なのでしょうね。
水仙ランド内ノガーデンハウス「水仙の館」をのぞいてみました。
何かしらパルテノン神殿を彷彿とさせる・・
中に入ってみましたが、閑散としていて、休憩スペースが設けられているくらい。
以前は売店や喫茶店もあったようですが、数年前に営業終了になっているようです。
水仙まつりのような大きなイベントの時には、しっかり利用されるのでしょうが、ここまでさみしいと施設の老朽化が少し心配です。
休憩スペースの一角に、以前灯台で使用されていた第4等フレネルレンズが展示されているのが目に入りました。
以前は灯台の瞳として活躍していたであろう、フレネルレンズ。
第4等なので、小ぶりのレンズではあるものの、うっすらとエメラルドがかったレンズはやはり美しい。
いろんな理由があって、現在のライトビーコンに代わってしまったのだろうけど、ここに居場所があって保管されていることは本当に良かったな、と思います。
越前岬灯台は、2017年に『恋する灯台プロジェクト』の灯台にも認定されています。
恋する灯台プロジェクト ホームページ
越前岬灯台 | 恋する灯台プロジェクト 公式サイト (uminohi.jp)
国道305号線は海沿いを走る道ですが、越前岬灯台に向かう途中で驚きの風景が!
滝が突然姿を現したのです!
白竜の滝。
越前の海沿いの地形は、山が海に迫っているため、こういった滝が出現するのも納得・・・ですが、いきなり出現するので海に見とれていると、気づかないまま通り過ぎてしまうかもしれません。
狭いながらも、周辺は白竜の滝公園として整備されています。
滝の目の前は日本海。なんとも不思議な光景です。
高速道で目的地までバシッといってしまうのも良いですが、少々時間をかけても下道を走ると、いろんなおもしろいものに巡り合う可能性が本当に高まります。
見知らぬ土地で、道路わきの案内看板で何か気になったものがあれば、迷わず寄ってみるようにしていますが、アタリ!のことも多く、これが旅の醍醐味だなあと改めて思うのです。
この後、東尋坊に向かいました。
東尋坊の断崖絶壁には、やはり足がすくむ・・・
東尋坊周辺は、売店や飲食店が多くて観光客も多くにぎやかなのですが、少し路地を入ったところにふとたたずむ、頭でっかちの建物がありました。
東尋坊タワー。
昭和の時代には、観光客がこぞって上ったであろう雰囲気が、そこはかとなく漂っています。
中をのぞいてみましたが、観光客もまばら。
こういう施設にはなんとか踏ん張ってほしい。
東尋坊タワー、がんばれ~!