YOU ARE THE 10TH RACER (お客様は10人目のレーサーです)
一人になって、ゆっくり考えごとをしたい時
ふだん食べない何か美味しいものを食べたい時
瀬戸内のただゆったりした海と島を、ただ見ていたい時
ちょうどいい大きさのお風呂にゆっくりつかりたい時
そんな想いがMAXになってきたので、
再び訪れた KEIRIN HOTEL10。
なんで競輪なのかわからないけど、徹底的にコンセプト化されている、いい意味でのクセのあるホテル。
私にとって、それはたまらなくお洒落に感じます。
海の見えるコンパクトダブルの高層階の部屋を今回も予約して、特別な空間にしばらく身をゆだねてみようと思います。
注目すべきは、細部に宿る、競輪魂。
この工夫、これからワンルームマンションとか建築する人たちに見ておいてほしい・・・といっても、その業界なりの最新のトレンドは必ずあって、これに感動したから!と私がいちいち言うことでもないかもしれません。
が、「その目的を果たすためのモノというもの」「デザインと機能のすばらしいバランス」について、改めて感心してしまったので、忘れないように記しておきます。
RESTRANT FORQ(フォーク)
ホテルの部屋からみえる、レストラン「FORQ」。
隣の競輪の観覧席とFORQとはガラスで仕切られています。
夕方、テラスから見下ろすこの風景が好きです。
FORQのキラキラした照明はを見るだけでなんだかワクワク。
あそこに行けば美味しいお料理が私を待っている・・・
競輪バンク
テラスに出ると、大きな競輪バンクと瀬戸内の小島。
あいにくの雨天で、バンクにも水たまりが。
昨日までレースがあったようで、選手の姿もちらほら見えました。
雨の日のバンクもまたよし。
テラスの椅子
テラスには、椅子2脚と小さなテーブルが置かれています。
どちらもずっしりとした重さがあります。
椅子は持ち上げられないようにチェーンでデッキに結び付けられ、テーブルはしっかりとナットで固定。
競輪レースのある日は、宿泊者はテラスには出てはいけないというきまりがあります。
この椅子やテーブルの固定も、落下を防ぐための厳重な備えです。
競輪でスった人が逆上して、ものを投げつける・・・といった事態もあり得なくもないわけで。
椅子がチェーンで結び付けられている、というのは、椅子の可動域は少々残しておこう、ということでしょうか。
この配慮いいですね。
部屋の照明
洗面所の上の裸電球。
この部屋の雰囲気にとても合っていると思うのです。
あかりも優しくて。
そしてもう一つ、部屋のメイン照明はこちら。
蛍光灯むき出し。
これを覆うフェンス状カバー(?)も競輪のイメージにぴったりはまっています。
このホテルは、昔の玉野競輪場で使われていた廃材を至る所に再利用しているようで、このカバーもその一つのようです。
むき出しの鉄板天井も、毎回ついつい見とれてしまいます。
なんとなく、解放感。
そして、隣の部屋の物音とか、一切感じたことはありません。
こういう構造でも、防音設備などはしっかりとしたものになっているのかもしれません。
たとえハンガーでも
上のハンガーは滑り止め付き、下のハンガーはクリップ付きロッカー用です。
このデザインは、見ての通り自転車の車輪デザイン!
アーチ形のハンガーは、肩に変な形が付かないのがメリットなので(滑り止めがあればなおさら機能的)、それを上手く車輪デザインと融合させているところがさすがです。
家に置いときたいな・・・(持って帰ってはいけません。)
湯沸かしケトル
このホテルのコンセプトデザインになんてマッチしているケトルなのでしょう。
お湯を沸かす必要がなくても、ついつい沸かしてみたくなる雰囲気を醸し出しています。
温度計のメーター部分もレトロかわいい!
そして実際に、その使いやすさにもびっくりしました。
ドリップコーヒー(ホテルオリジナルのドリップコーヒーがおいてあります!)にお湯を注ぐとき、注ぎ口が、このほそーいノズルになっていることで、お湯の注ぎ加減を微妙に調節することができ、すごく使い勝手がいいのです!
最近、アラジンというメーカーのオーブントースターのデザインが秀逸だなと感じたことがありましたが、それに次ぐTOFFYのケトルです。
持ち運びバッグ
大浴場に行くときなどに、タオルや入浴グッズを入れて持ち運べるバッグも、常備されています。
女性には特にうれしいアメニティ。
もちろん、ホテルデザイン。
「このバッグの使用はホテルの中だけですよ~」という忠告も、デザインの一部として見せているのもニクい。
多くの宿泊施設は、大浴場へはタオルなどは部屋から持っていかなければなりませんが、こういう持ち運びバッグが常備されているところって、そういえばあまりないかもしれません。
コーヒーカップ
コーヒーカップもこだわりがあります。
岡山県備前市を拠点に作陶されている、備前焼「IZURU」。
備前焼の特徴である、素朴な土の手触り、洗練された繊細なデザインが最大限に発揮されたコーヒーカップも常備されています。
ロビーのショップでも購入可能で、黒色カップはホテルオリジナルだそうです。(備前焼は茶褐色系が多い)
さりげなく地元の名品を取り入れているあたりも、いいですね。
コンパクト洗面台
かわいいコンパクトな洗面台。
ハンドソープも、歯磨きコップもすべてホテルデザイン。
この洗面台や蛇口も、ホテルデザインでなないのか?と思ってしまうほどです(実はそうだったりして)。
小さい洗面台なのだけど、
これだけのスペースがあれば洗面台の機能は十分事足りてしまうのだ、ということに気づかされてしまうのです。
洗濯物干しロープ
実は今回の宿泊で、新たに気が付いたのが、この「洗濯物干しロープ」。
画像右側の黒いボックスがふと気になり、あれこれ触りまくっているうちに、ヒモがびよーんと伸ばせることが判明。
反対側の壁を見ると同じく黒色の器具が取り付けてあって、何かをひっかけられるようになっています。
・・そうか、コレ、物干しロープ!
おお、画期的!!(って私が知らなかっただけなのか?)
ロープが緩んで垂れ下がらないように、ちゃんとロックもできるようになっています。
THE 機能的。
ドライヤー
ドライヤーは、人気の高いサロニア。
私も以前愛用していたことがあり、これだけでも親近感がわきます。
サロニアのドライヤーは、「風量が強いのに風が優しい」。
吹き出し口かなんかに仕掛けがあるのでしょうか。
マットブラックで、材質がソフトな感じ(手の跡とかつきやすいですが)も、他のドライヤーにはない感触です。
Don’t Disturb
「部屋の清掃不要です」の時などに、ドアにかけておく札も、
マグネット式のホテルデザインになっています。
おしゃれですね。
壁に飾ってある絵も、もちろん競輪。
KEIRIN HOTEL10のコンパクトダブルの部屋は、決して広くはありません。
が、
ホテルコンセプトが細部にまでいきわたっている点や、
コンパクトルームに合わせた機能的な設備をセンスよく配置している点は、
何度訪れても、惹かれてしまうところです。
なぜ、競輪なのだろう?
いや、競輪だからこそ。
競輪をここまで徹底的にデザイン化して造りあげた方たちの感性に憧れます。