そそる灯台、経ヶ岬灯台(きょうがみさきとうだい)。
京都府の北、丹後半島の最北端にある灯台、『経ヶ岬灯台』。
断崖にそびえたつ白い灯台で、中に設置されている灯台の重要な役割を果たすそのレンズは、エメラルドグリーンの瞳のよう。
このレンズが美しく光を放ちながら、暗い日本海を照らすのをぜひ観たい!
灯台に初めて興味を持ったきっかけはこの灯台でした。
息子が京都の大学に通っていた関係で、京都に頻繁に行き来し始めてから、国道9号線沿いで見かけたなぜか気になる道路案内板の文字「経ヶ岬」。
最強のYahooナビがあれば、車でどこにでも行けることに遅まきながら気づき、あちこち出かける楽しさを知りはじめた頃。
自宅から経ヶ岬までは、ざっと約130キロ、車で3時間弱。
冒険に行く感覚で初めて経ヶ岬の展望駐車場にたどり着いたときは、「丹後半島最北端の展望台かー」くらいに思っていたのだけど、駐車場を散策していると、「左に灯台が見えます」と記された看板を発見。
すぐさま左を向いてみると、山の途中斜面にちょこんと白い灯台が!
ここには灯台もあったのだとその時わかりました。
これが経ヶ岬灯台。
この画像では見づらいですが、灯台の中で輝くエメラルドのレンズに目がくぎ付けになりました。
なんてきれいなレンズなんだろう!
あの形はなに?
そう思ったのが灯台にはまっていくきっかけとなったのでした。
なぜに灯台。されど灯台。
なかでもすごく影響を受けたのが、この本。
不動まゆう 「灯台はそそる」
経ヶ岬灯台は、日本ロマンチスト協会(そんな協会もあるのです)と日本財団が共同して実施する「恋する灯台プロジェクト」に認定されている灯台でもあります。
このホームページに載っている経ヶ岬灯台の美しいことと言ったら!
青い空と白い灯台のコントラストが抜群のアングルでとらえられていて、どこか遠い異国の風景のよう。
これが、経ヶ岬灯台の極意なのです。
恋する灯台プロジェクトとは?
Place(場所)・・・非日常感
History(歴史)・・・物語感
Access(道のり)・・・到達感
Romantic(ロマンティック)・・・創造感
Ocean view(景観)・・・最果て感
Shape(形)・・・造形美感
以上PHAROS(ファロス)の審査基準により認定され、灯台をロマンスの聖地へと再価値化していく取り組みです。
経ヶ岬灯台はこちら
https://romance-toudai.uminohi.jp/toudai/kyogamisaki.html
おりしもこの日、この地域に雷雨注意報が出てしまったため、公開の終了時間が早められましたが、入場者最後の1人にすべりこむことができました。
なんてミラクル!
案内されるまま、灯台の瞳に近づきます。
灯室の中は、重油のにおいでいっぱい。
重油がついてしまうので、レンズの周辺は手で触らないように注意がありました。
間近で見た灯台の瞳、エメラルドのフレネルレンズ。
なめらかな輝きを放ち、美しい…の一言。
このレンズは、日本中で5基しかない1等レンズのうちのひとつであり、「1等」とつくだけあって見上げるほどとても大きいレンズです。
この大きなレンズを回転させるため、「水銀槽回転機械」を使用しているそうです。
水銀の上にこの重いレンズを浮かして回転させている…そんな説明だったと思います。
日本で1等レンズを使用している灯台(第1等灯台)
・犬吠岬灯台(千葉県銚子市)
・経ヶ岬灯台(京都府京丹後市)
・出雲日御碕灯台(島根県出雲市)
・角島灯台(山口県下関市)
・室戸岬灯台(高知県室戸市)
レンズの内部も見せてもらえます。もはやマニアに近い私にとって、この空間はとてもたまりません。
一般公開日に参加して以降も、何度か経ヶ岬灯台には足を運びましたが、レンズが発光しているのはまだ観ることができていません。
この美しいレンズがぐるりと回りながら光を放ち、日本海に道しるべを作り出している瞬間を今度こそは観よう!と心に誓いました。