お出かけレシピ

祇園祭(後祭) 2022年版  

196年ぶりに復活した「鷹山」と奇祭「あばれ観音」

3年ぶりに祇園祭が開催された今回、完全に祇園祭モードになってしまいました。

前祭から1週間後に開催される「後祭」も観なければ、祇園祭を制覇したことにはならない、と再び京都に足を運んでしまいました。

京都の夏をとことん楽しむなら、「祇園祭 後祭」もぜひ観ておくのは必須です。

今回、私にはある目的がありました。それは、196年ぶり!に再建され巡行に復帰する山鉾の鷹山(たかやま)を堪能すること。

そして、宵山の夜遅く、山鉾『南観音山』のご本尊(ご神体)を乗せた神輿が町内を走りまわる奇祭あばれ観音を観ることです。

 

鷹山(たかやま)

鷹山は、これまで幾度か復興の兆しがあったものの頓挫を繰り返していました。

2015年に「鷹山保存会」が発足してから、町内衆の鷹山復興への着実な努力が実り、今回ついに長年の悲願がかなうことに。

3年前の巡行では唐櫃(からびつ)のみの巡行だった鷹山でしたが、満を持していよいよ今回姿を現したのです。

鷹山保存会 ホームページ
https://www.takayama.or.jp/

宵山にはまだ早い時間でしたが、町内に堂々と鎮座する鷹山を観ることができました。

復活した鷹山

できたて鷹山はまだ完成形ではなく、白木のままの鷹山は今回限りで、今後も少しずつ装いを変えていくようです。

白木と鮮やかな色彩で描かれた懸装品(けそうひん 山鉾の側面を装飾する織物)が本当によく青空に映えて美しく光ります。

私も、鷹山復興を祝して、近くに設けられていた町内の方が運営する屋台で生ビールを注文、鷹山を見あげながら極上の一杯をいただきました。

「うまい!!」 この瞬間にここにいられることの幸せをかみしめました。

 

鷹山には3体のご神体が乗せられます。ご神体は近くの町家(ちょういえ)で公開されており、観光客がひっきりなしに出入りしていました。

鷹山に乗るご神体 左から鷹遣(たかつかい)、樽負(たるおい)、犬遣(いぬつかい)

この画像だけでありがたい感じです。

魔除けのちまき(食べられません)がたくさんお供えしてあります。

私は一番左の、腕に鷹を止まらせた「鷹遣」の表情がお気に入り。

こんなおじさんよくいますね(笑)、なんか身近な感じがします。在原行平がモデルだそうです。

 

前祭と比べると、後祭で巡行する山鉾は数も少なくて小ぶりなのですが、特徴的な鉾が多い気がするので、前祭の宵山とはまた違う雰囲気を味わえます。

日が暮れて鉾の提灯がともり、お囃子がいっそうにぎやかになる宵は本当に格別です。

「宵山」って本当に風情のある言葉で大好きです。

 

あばれ観音

後祭の宵山を思う存分楽しんだあとは、いったん宿泊先のホテルに戻り、23時からの『南観音山 あばれ観音』に備えて力を蓄えておきます。

宵山で南観音山を観たときに、町内の係の方に、あばれ観音の開始時刻をちゃっかり確認していたので、準備は万端。(実施されないこともあるらしいので)

ホテルで少し眠くなりかけましたが、過去の動画などを見てひたすら時間が来るのを待ちました。

いい観覧場所を探したいので22時半前には出発。

南観音山の鉾に到着、この辺なら観られるかなあ…という場所に陣取りました。

ちょうど後ろにいた数人の若い外国人女性たちがすごく盛り上がってマシンガンのようにしゃべっていたので、こちらもつられて気分が高揚してきます。

そのうち警備の人が、混雑し始めた見物客を整理し始めました。

道の両端に固められましたが、タイミングよく、よく見える一番前に並ぶことができました。

南観音山の横の町家あたりがざわざわしてきたと思ったら、「あばれ観音」がとうとうその姿を現しました。

なんだ?あの形は。

ぐるぐる巻きの正体は南観音山のご神体「楊柳(ようりゅう)観音」

ミイラのように布でぐるぐる巻きにされたご神体。神輿の台座にしばりつけられています。

と、私の目の前で「ワッショイ!ワッショイ!」と激しく神輿が上下に揺さぶられます。

なんとまたベストポジションなこと!

観音様を乗せた神輿はところどころで上下にワッショイされながら、町内を3往復します。

そんなに長い距離ではないのですぐ戻ってきて、また目の前でワッショイが繰り返されます。

ベストポジションで動画を撮ることができました!

目の前でワッショイ!

あばれ観音行事は、いつ頃始まったのかは定かでないようです。

一説にはこの観音様が女性であり、男性である北観音山の観音様(同じく楊柳観音)への恋心を冷めさせて、次の日の巡行を静かに執り行うため、などのいわれがあるようです。

それにしても祇園祭にあって、唯一の奇祭ともいえるあばれ観音

観音様は穏やかな笑みを浮かべているもの、のはずなのに、暴れるとは?

そしてあのぐるぐるミイラ巻き。ある意味ホラーな気がするのは私だけでしょうか。

祇園祭あばれ観音 簡単概要

 

宵山を思う存分堪能し、次の日は後祭巡行の日です。

京都はこの日も気温が高く、汗だくの観覧となりましたが、巡行の一番トリを飾る「大船鉾」が最後町内に戻っていくまで見届けました。

さあ、京都の夏本番!

 

巡業のトリを飾るのは「大船鉾」

せまい路地にもどっていく大船鉾

 

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